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【東北震災遺構2018】①仙台市立荒浜小学校

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震災から7年を過ぎた東北は宮城県岩手県の被災地を巡ってみた。

 

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まずは「仙台市立荒浜小学校」。ここは仙台市中心部から直線距離で10km程度離れた太平洋沿岸部にある。海岸から700mしか離れていない校舎は震災遺構として仙台市によって保存・管理されている。外観は一見キレイだが・・・

 

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校舎内は自由に見学できるようになっている。津波は4.6mまでの高さで押し寄せ1Fと2Fを飲み込んだ。91人の児童と地域住民ら320人は屋上に避難して無事だったとのこと。その後、夜を徹して自衛隊のヘリで救出されるが一部の大人たちは翌朝徒歩での避難となったらしい。

 

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津波の威力は強い。鉄の柵やコンクリートの構造物まで破壊する。生身の人間が対抗できるわけがない。

 

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f:id:twinleaves:20180506192931j:image海抜5mもない平坦な街。ここには800世帯2,200人の人々が住んでいた。そこへ10m以上の津波が襲ったのだ。小学校以外のすべてが押し流された。右に見える黒い集団は墓石のようだ。おそらく流された石を元の墓地があった場所へ戻したのだろう。隣のお寺は跡形もなく流され更地になっていた。

 

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この日は風が強く波打ち際に高い白波が立っていた。遠くから見ると防潮堤は低いように見える。小学校から海岸までには何もない。

 

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みんなが避難した屋上も公開されている。320人が避難し救助を求めたこのスペースは災害時に利用できるように整備されていた。3月上旬で雪が舞う季節、児童たちは一旦4階の廊下に待機させたほどの寒さだったようだ。

 

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沿革には明治6年開校と記されている。143年の歴史は津波によって閉じられたが校舎は残った。記録ビデオの中で校長先生が説明していたが、防災計画として校舎の隣りにあった体育館は全く避難先の対象にしていなかったとのこと。校長の意識が高かったのかこの小学校では防災計画がきちんと出来ていたようだ。

GWで子供連れも多く見学していた。これからの社会を作る子どもたちにもこの教訓を受け継いで生かして欲しい。そのための遺構だから。