第21回 芸工展2013
写真友達からの案内で今年も芸工展。このイベントは谷根千界隈の街中が展覧会場というキーワードのもとに作家や職人など地域の人々の表現を見て回るという企画だ。今年は参加店が多く200件に近い数となっていた。
先ずは谷中M類栖。屏風絵にシミが発覚し、その修復作業の展示「丸井金猊∞屏風絵修復展」だ。何度もおじゃましているので見慣れてはいるものの四曲(4枚がつながったもの)の屏風が二隻並ぶと壮観だ。修復前の写真を実物に添えて見るとキレイになっているのがよくわかった。もう一つの企画である高見盛関のビデオも見せていただき長居をしてしまった。
谷中M類栖を後にして次のスポットへ。街中が展覧会場なので人出が多い。人気店では行列が出来ていた。大正5年築という古家をそのまま活かした「カヤバ珈琲」はいつ来ても混んでいる。
屏風を修復した業者さん、実は近所にあると聞いた。そして芸工展に参加しているということで覗いてみる。美術品の修復を行っている12の業者が「旧平櫛田中邸アトリエ」にところ狭しと展示物を並べていた。その中で屏風修復の伝世舎さんは和本の修復についてだ。いわゆる和綴じと言われる紐のみで製本する方法。篆刻教室に参加していた時に作ったことがあるが、綴じ方にいろいろ種類があるのを見て勉強になった。他にもボロボロになった学校の校旗をあて布の染色から行うというパネル展示も。どれも完成までの道のりが気が遠くなるほどだ。
日没まで時間がないのでとにかく歩きまわる。渋さで有名な台湾スイーツのお店「愛玉子」を発見。男一人では入る勇気はなかったが地味に営業中とあった。
谷中といえば猫、ネコといえば谷中。と言われていると思うが、谷中霊園には入らなかったので多くには会えなかった。町中の野良はなかなか寄ってきてはくれない。首輪を付けた飼い猫ちゃんとにらめっこしただけ。
最後に辿り着いた「富士見坂」。ご覧のとおり高層ビルによってもう見えなくなっていた。写真を撮っていると見知らぬオジサンが残念だねーと話しかけてきた。もう一人お兄さんも見に来たようで、3人でしきりに残念がるがビルはシルエットで答えるだけだった。