台東区の3館をめぐる秋の美術散策
台東区にある美術館3館の合同企画「台東区の3館をめぐる秋の美術散策」を一日で駆けまわった。
まずは谷中にある朝倉彫塑館。朝倉文夫のアトリエと住居だった建物をそのまま彼の作品を展示する美術館としている。大隈重信像の大型作品から飼っていた猫の日常などかわいいものは今にも動き出しそうなリアリティがあった。
作品群もさることながら建物自体がすばらしい。増築を繰り返した全体像は洋館風のアトリエと純和風の住居が合体したものだ。中庭には池と大きな庭石、どうやって持ってきたかと考えるほどのもの。多くの弟子を育てたといわれているので人もお金も集まってきたのだろう。
次は鶯谷の書道博物館。ここでは中国の呉熙載・趙之謙・呉昌碩・鄧石如らによる書作品の展示。そして、この博物館の収蔵品をコレクションした中村不折の作品も。各作家の活躍した年表が貼ってあり、鄧石如は比較的古く呉昌碩は最近の人物だということがよくわかった。
3館目は東京国立博物館の平成館で「清時代の書ー碑学派ー」。鄧石如の力強い筆さばきは一文字づつ真似て書いても全体で見ると作風は似か寄らないという。それぞれがかなりの値打ちらしく、中には売買できないほどのものもあるとか。
そして東洋館で「上海博物館 中国絵画の至宝」。こちらは清時代を中心とした絵画作品が並ぶ。大判・長尺ものが多く圧倒されたがよく見ると印が多く押されている。その時代、作品を見たというしるしに押したという。描かれた山の頂上あたりにも並んだ印、押すのに勇気がいるのでは?とも思ったり。その中で乾隆帝の印が押されているものは価値が高いらしい。
夜は根津の大麒麟でちゃんこ鍋。ひとり一人前が食べきれないほどの量。もしかして、7掛けぐらいで頼んだほうが良かったか。そっぷ味とみそ味の汁が美味しかった。
- 作者: 河内利治,中国中央電視台,中国中央テレビ=,CCTV=,樋口將一
- 出版社/メーカー: 科学出版社東京
- 発売日: 2013/09/25
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